2019/02/21
さて、今回の魔窟チェロ家の宝物は、
前回いらんことを話しすぎたせいで
全体の0.2%ほどしか紹介できなかった、
講談社は月刊少年マガジンコミックス
マイコンランデブー
をご紹介したい!
ちなみにオレは、
『ランデブー』というワードを聞くと
走るデブしか
想像できない謎の病いに
数年前からかかっているのだが、
誰にも迷惑はかけていないので、
今回もマイコンオタクの走るデブを
堂々と想像しながら進めていきたいと思う。
だって、しょうがないじゃない……。
で、この漫画なんだけどね。
今までこのブログで
紹介してきた作品とは、
ちょっと毛色が違うのだ。
それは、ズバリ
相当おもろい
のである……!!
オレがヤバそうな本やDVDを買った際、
50回に1回ぐらいのペースでやってくる
埋もれた名作
だったのである!
『マイコンランデブー』が!
まさかのッ……!!
そもそも、
全2巻完結という時点で
雑誌に掲載していた頃は
読者の支持を得られなかった
可能性が激高なわけで、
そんな作品にこっちが期待するのは、
常軌を逸したつまらなさ
or
常人には理解できない狂気
ぐらいしかないんすわ。
でもね、コイツは
ストーリーもよく練られてて、
パソコンをうまいこと利用しつつ
ギリギリつじつまのあう物語を
きわどいラインで展開しておってね。
つまるところ、
なかなかどうして
極上のファンタジー
ってことなんすよ。
うーん、
ちょっとほめすぎたか……。
ほいでは、
簡単にストーリーの
流れを説明すんね。
主人公、今村浩くんは中学1年生。
はっきり言って、冴えない少年。
で、ヒロインは石川なおみちゃん。
今をときめくアイドル歌手である。
そんな2人の共通の趣味がズバリ、
マイコン(今で言うパソコン)!
それが、何かの間違いで
パスワードも入れていないのに
なぜかお互いのマイコン同士が
音響カプラで
繋がってしまうのだ!!
え、音響カプラ、
ご存知ないですか?
この漫画が出た
昭和60年6月18日には、
インターネット
なんてシャレた横文字は
まだニッポンに
存在しなかったんすな!!
だから、音響カプラ。
みんなも明日から
音響カプラ。
オールライ?
で、それをきっかけに
冴えない男子中学生と
花のアイドルが繋がって、
アイドルのピンチを童貞中学生が
救いまくることになるんだが、
そもそも、なんでそんなことが
起きたのかというと……、
2人のパソコン同士が
知らんうちに
恋に落ちていたという
とんでもない
トンデモ展開がッ……!!!!!
まぁいちおう第1話は、
なおみちゃんが生放送番組での歌唱中に、
ステージ下へ停車した誘拐犯の車へ
「おもしろい演出ね!」
と思い込んで自ら乗り込み
まんまと誘拐されてしまうという、
大胆にも程があるストーリーが
チカラ技で展開されるのだが、
そこ以外はストーリーの展開に
特にイジれるようなアレもなく…。
いや、なくはないんだろうが、
ふと気付いたらドキドキしながら
普通に読み進めている自分がおり、
まぁ多少のツッコミどころは
スルーできちゃったのかもしれんな。
いちおう中学1年生でありながら、
無免許運転するわ、
ポルノ映画観るわ、
飲酒するわ、
盗んだバイクで走りだすわ、
なおみちゃんを助けるため
ホテルの非常ベルを鳴らして、
全300室に満杯の客を
大混乱に陥らせるわで、
コンプライアンスにやかましい現在なら
炎上しかねない要素が山盛りで、
昭和という時代が持つ大らかさを
ほのかに感じられるのも
本書が持つ魅力の1つだ。
まぁでも、
こんなのは作り話なんだからさ、
物語が面白くなったり
スリリングになるってなら、
こういうアレも大アリだと
やっぱオレは思うけどね?
こんなんを青春の時代に見て、
イカした世界にあこがれながら、
人は少しずつ健康的な
大人になっていくんだから…。
つーわけで、
じつは最終話は
けっこう深イイ話でね。
ヘタすりゃ感動さえするかもなんだけど、
ネタバレになるともったいないんで
ここではナイショにしときますわ。
もしどこか、
小汚い古本屋で偶然見かけたら
買うて読んでみてください。
一冊200円以下ならね……。(適正価格)
カモン、イエスタデイ……!!