アニかつ&ガル憎の回胴交換日記

結成から19年を迎えるマッパチのアニマルかつみとガル憎の交換日記!

直球勝負 fromガル憎

2015/10/29

押忍。

ガル憎です。

当初の予定より延長して続けてきた当コラム。

今回をもって終了!

つまり俺の更新で終了!

あれ?

それ大丈夫?

最後が俺でいいの?

ニイサンじゃなくていいの?

といってもこれが最後なんだから仕方ないよね。

いかせてもらいますからね。

ラスト1球、ドスン!

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拝啓 長兄&皆様

最後だから気合いを入れて書こうかと思いましたが、よくよく考えてみたらニイサンから「お題」が出されてなかったんですよね。最終回、しかも「締め」の内容がまさかの「フリー」。試合を決めるべく抑えピッチャーが登板、2アウトフルカウントからの1球がノーサイン。そんな心境でございます。

で。

これでラストってことはニイサンの「返事」も無いんですよ。俺が「お題」を出すことも無いんですよ。じゃあ、もう自由にやっちゃおうかと。そう考えまして、そう決めました。

はい。

現在、俺は休みの日に都合がつけば茨城県の常総市に行ってます。9月に起きた「関東・東北豪雨災害」。いろんなとこで書いてるから嫌というほど知ってる人もいると思うけど、ようするにボランティア。朝から現地に行って復旧作業をしとるワケです。

広島土砂災害の時もそうだったんだけど、基本的にこういうのは「現地で指示された場所に行く」のが普通。たとえば今日もし行ったとして、どこかのお宅で復旧作業をする。次に行った時は「今日はその隣のお宅を」とか「ぜんぜん別の現場で」とか、そんな感じで。

そうやっていろんな場所で作業をしていく中、あるTシャツ工場の存在が明らかになりまして。そこはアーティスト系、いわゆるバンドやミュージシャンのTシャツや布製品のグッズを作ってるところで、工場の都合もあるから詳しくは書けないんだけど、日本人なら誰でも知ってるような有名アーティスト、あるいは俺みたいな人間なら確実に知ってるバンド、そういうTシャツが山ほどある。でも、そういうTシャツが9月の台風18号、鬼怒川の決壊被害で「ほとんど水没」してしまい、約10万枚のものTシャツが被害に遭った。

皆さん、10万枚ですよ、10万枚。言うなれば、それだけの数の「商品」が浸水によって水没した。中にはプリントがズレたりして商品にならないものも含まれてるんだけど、多くは商品となるもの。もう、初めて行った時は愕然としました。俺たちがライブやコンサートやフェスに行った時、悩みながら買ったり迷わず買ったり、ワクワクして買ったりするようなTシャツが泥まみれになってるんです。ビショ濡れになってるんです。買うものが、着るものが、単に「ズブ濡れの布」になってしまってるんです。



たとえばコレ。紫とか、そんな色のTシャツに見えると思うけど、なにを隠そう「黒」。黒いボディのTシャツ。写真を見て左側の脇部分に黒い模様みたいなものがあるのが見えるでしょう。じつはそこが「元の色」。つまり黒い部分。川の水に多くの下水なんかが混ざり、その汚水で濡れてしまったから、こんな感じで色が落ちてしまってるんです。

もちろんここまで来ると商品にならない。ただの「ゴミ」。でも、その「ゴミと化したTシャツ」を廃棄するだけで、数100万円という莫大な費用が必要になる。何万枚という商品がゴミになり、それを捨てるのに数100万円かかる。この工場が受けるダメージは計り知れません。



そこで仲間たちや有志が立ち上がった。説明不要のモンスターバンド「ブラフマン」と共に「幡ヶ谷再生大学・復興再生部」が動き、俺が所属する「セイブ・ザ・ヒロシマ」もバックアップ態勢を整え、被害の少ない、あるいは洗濯すれば綺麗になる無地のTシャツを買い取って「再生」させて販売しようと。その利益を義援金にしようと。名付けて。

──『Tシャツ再生大作戦』

この活動については10月24日の朝日新聞・全国版にも取り上げられ(現地で取材を受けました)、翌日の25日に宮城県で開催された「東北JAM」で早くも第一弾をリリース。約100枚を販売し、完売。NAMBA69の難波さんはそのTシャツを着てライブをやってくれた。それ以外にも多くのミュージシャンが協力、賛同してくれている。

現在、工場では被害を免れた、あるいは最小限の被害で済んだTシャツを1枚1枚ボランティアの人たちが選別。匂いや汚れのあるものは洗濯して再生。次の活動に向けてボディを揃えているところ。地元のクリーニング屋さんが協力してくれたりもして、徐々に作業の効率が良くなってきてる。でも、まだまだこれから。とにかく1枚でも多くのTシャツを再生させてリユースし、工場の負担を減らさないといけない。俺も自分のブランドがあって、山ほどTシャツを作ってきた。こういう工場や業者が作ってくれたからこそ、俺はそれを売ることができる。業者は違えど業種は同じ。放っとけるわけが無い。



というわけで、皆さん。これからこの『Tシャツ再生大作戦』は様々な場所で動きを見せると思います。幡ヶ谷再生大学・復興再生部、そしてセイブ・ザ・ヒロシマ、さらに俺。それぞれツイッターなどで発信を続けていくので、どうか関心を持っていただき、できれば協力してほしいです。協力は購入でも発信の拡散でも、なんでもオッケー。宜しくお願いします。

https://twitter.com/sth_20140826

最後の最後で告知みたいになったけど、この告知は「復興」に繋がる告知。遠慮なく書かせてもらいました。現在、ボランティアの数が圧倒的に少なく復旧が大幅に遅れている被災地。困ってる人がいるんだから、手を差し伸べないとね。俺はまだ6回しか作業に行けてないけど、まだまだ行きます。時間を作って、あの工場に。



以上、3ヶ月に渡ってお届けしたマッパチの交換日記。ラストのガル憎でした。

押忍!