魔窟チェロ家の宝物殿

人生のボタンを4回ほどかけ違えた結果、パチとスロの実機をうっかり550台ほど所有しているライター、貴方野チェロス。異様にモノが多すぎる彼の自宅を訪れた人々は皆、そこを『魔窟』だの『住居型ヴィレッジヴァンガード』だのと呼びたがる…。このブログでは、そんなチェロ家のその辺に転がっている奇妙なモノたちを、パチやスロの実機はもちろんのこと、本、CD、DVD、ゲームなど、ジャンルにこだわらず気の向くままに公開していくぞ! チェロ家へ遊びに来たような気持ちで、そっと覗いていただきたい♡ え、なにアンタ、手ぶらで来たのッ…!?(『歓迎』の旗を振りながら)

インドネシア人がこさえたパチンコ映画(後編)

2018/12/31

記事カテゴリ:ブログ

 

 

 

さて、12月31日。

自動的に本年度最後の更新となる今回は、

前回のつづき。

 

インドネシア人青年監督が

日本でこさえたパチンコ映画、

 

 

 

 

 

 

Pachinko …and everyone’s happy

 

を紹介したいわけだが……。

 

ここで、手元の資料にある

本映画を作る際に起こった裏話を

2〜3ほど紹介しておきたい。

 

まず、この映画は

2000年3月13日から3月27日という

超絶突貫工事で作られたそうだ。

 

そして、スハヤルディ監督は当初

200万円の自己資金で映画を作ると主張。

その話に可能性を感じて

多くの協力者たちが奔走し、

撮影場所や出演者を予算内で収めるよう

必死になって準備したそうだが、

撮影開始、まさに直前というタイミングで

 

 

 

 

 

25万円しかないよ

 

 

 

 

 

と、言い出したらしい。

 

 

 

スハヤルディ(もう呼び捨て)の説明によると、

撮影用のデジタルカメラやら

将来の公開に備えてプロジェクターなど、

様々な機材の購入に勝手に充てて60万円。

さらに、地元ジャカルタで行う

自身の編集作業に必要な資金、

ジャカルタの友人に依頼する音楽制作のギャラ等、

もろもろの費用をさっぴくと、

 

約束の8分の1足らずの

25万円しかありません、と!

 

詐欺と言われても

ナイもんはナイ、と!!

 

で、彼はこう言ったそうである。

 

「私にとって金が全てじゃない。

 皆のスピリットで映画を撮りたかった。

 今でも金のことは考えてないし、

 考えたくもない。

 映画が完成すればいいとだけ思っている。

 みんなで頑張ろうの精神でやりたい!」

 

 

 

オレがその場にいたら、

2秒ほど冷静に考えて

はっ倒してやりたくなる言いぐさである。

 

「盗っ人猛々しいとはまさにこのこと!」

オレなんかその内容に憤りをおぼえたんだが、

もしかすると事情はちょっと

違うのかもしれない。

 

 

 

映画監督になる夢を語るのが上手で、

瞳がキラキラした純粋すぎる

インドネシア人青年の話を、

人が良すぎる夢見がちな

日本のオトナたちが聞いて、

うっかりホロリと来て

ついノリノリになってしまった

結末のように感じないこともない。

 

 

 

最初からお金の管理を、

どこの何者かもロクに分からぬ

インドネシアの小僧にやらせなきゃ

よかっただけの話だからね。

関係者も、どこか平和ボケしてるように

見えるっちゃ見えちゃうよね…。

 

 

 

ま、そんな夜食さえ用意できない

劣悪な環境下で撮影された映画ってことで、

この映画史に刻まれるほどの

ヒドい内容もまぁやむを得んのかな、と。

 

まぁ雑誌も映像も

必要最低限のお金はかけなきゃ

おもろいもんはできない

 

と、娯楽作りを生業とする

我々ガイドワークス関係者も、

あらためてよいご教訓を

授かりましたね……。

 

ええ、このブログのギャラ

増やしてと願ってんです……。

 

 

 

 

 

さ、そんなこんなで…!

映画はいよいよ佳境へと突入。

前回のブログを読んでないアナタは、

まず前回のから読んでちょうだいね。

 

 

 

 

 

ほんのり不安に襲われながら

DISC2を再生すると、

また特にたいした理由もなく、

マキの家族めたくそ喧嘩してる……。

 

数分前までのホームパーティーは

幻だったのであろうか???

 

そして、

母にアレコレ言われてるうちに

やぶれかぶれになり、

またAV出ちゃうマキ!!

 

普通に人が行き交う

変なオフィスみたいなトコの廊下で、

スカートに男の頭突っ込まれて

「ぶあぁああ、ぶあぁああ」

て悶えてんだけど、

どんなジャンルの撮ってんだ…?

 

てか、スハヤルディがこれまでに観た、

ジャポルノ、こんなんだったん!?

 

マキはその撮影の休憩中、

母のルミから電話で

夕方6時半に

おばあちゃんをパチンコ屋へ

連れて行って、いいからッ!!

と、なぜかどえらい剣幕で頼まれる。

 

しかしマキは、

おばあちゃんのパチンコの

お世話を無視!

 

すると、次のシーンに切り替わり、

 

 

 

 

うぇええぇえええ!?

母、芸者になっとるーッ!!

どゆことぉおぉおッ!?

 

 

 

 

ちなみに、芸者の時の名前は、

河内(カワチ)さんというらしい。

 

みんなは、もうこの超展開に

ついてこれてないと思うけど、

ここからさらについていけなくなるから、

頑張ってついていこうとしなくて

大丈夫だ…。

 

 

 

 

さらにシーン変わって、

勤務する旅行会社の

お得意さんに連れられて、

急に浅草で芸者遊びにふけるスハヤルディ。

 

やっぱコイツ、日本に来て

自分がやってみたかったことを、

映画でやってるだけだわ、完全に…!

 

さらに、なんで

日本古来の芸者遊びが

ただの王様ゲームなんだよッ!!

 

もうツッコむ気力すらわかぬ…。

 

ここで、

スハヤルディとマキの母・河内、

地獄の超展開にクラクラするが、

なんと野球拳でガチ対決ッ…!!

 

スハヤルディが芸者の河内さんを、

マキ家のホームパーティーで一緒に踊った

ルミ母だと気付いているのかは

最後までいっさい謎のままである。

 

おそらくこの頃には、

製作陣も1秒でも早くこの撮影を終わらせたくて、

何もツッコまなかったんとちゃうかな…。

 

 

 

で、その野球拳シーン、

スハヤルディがパンイチになるまで

勝負の行方をノーカットで

4分間たっぷり……!!

 

いらんっつーの!!

もうホントテメェ、

ブッ飛ばすぞッ……!!!!!

 

結局、クソおもしろくも何ともない

芸者遊びのシーンが合計で12分。

 

どうかウソだと言っていただきたいが、

コレがこの映画の

クライマックスである…。

 

 

 

夜もふけて、

芸者の化粧を落として

自宅へ帰った母・ルミ。

 

自宅で眠るマキに

そっと布団をかけて、

何が家族の絆なんだか、

正解は誰にもわからぬ

エンディング……。

 

 

 

 

 

あらすじを全部書いても、

大してネタバレにならないストーリーは、

ある意味スゴイと言えるだろう。

 

ま、事の真相を

もっと詳しく知りたいアナタは、

 

ハリー・スハヤルディ

インドネシア

Pachinko

 

の3つのワードでググっていただき、

制作サイドの日本人がしたためたブログを

探してご覧になってくださいまし。

ホント、腹たってきますから。(笑)

2000年3月27日更新のヤツが

特に灼熱です……。

 

 

 

 

 

では皆さま、

アナタなりによいお年を♡

 

カッカカカカッカ、

カモン、イエスタデイ……!!

 

 

 

追伸……貴方野チェロスのツイッターで、この映画の最初に入ってるオープニング映像っていうか、映画配給会社のライオンガオーーみたいなムービーなんだか、よくわからん呪いの映像みたいなのを公開してますんで、気になるアナタはよろしきゃ覗きにきたってね!