2020/05/25
かつて開店直後のBGMは軍艦マーチと相場は決まっていたものだが、昭和が遠い過去となりつつある今、ドーンと背中を押してくれる軍艦マーチがホールに流れるのはジャグの1G連のみ。めっきり聴かなくなったのは構わない。軍艦マーチの代わりに何を流したって構わないのだが、やってやるぞと意気込む朝に、どう考えたってセリーヌ・ディオンはないだろう。
あれは安っぽい女子が「タイタニック! タイタニック!」と大騒ぎしている頃だった。しんと静まり返る店内でコインを握りしめたまま、遊技開始の合図であるBGMを今か今か待っているところでセリーヌ・ディオン。透き通るような声で歌われても今ひとつ勢いがつかないわけだが、曲調が厳かな分、逸る気持ちを落ち着かせてくれるといった効用があったように思う。今思えばあれはあれで、勝負の日の朝に向いていたような気がするのだが、果たして「やぼの助」はどうなのだろう。
今日、これから決して楽ではない仕事が待っている。どうやら寝られそうにないため5時には着替え、今これを書いているのだが、着替えた姿を鏡で見たら、まるでカナダの木こりのよう。不安になって「やぼったいか」と家人に聞いたところ、返ってきた答えが先ほどの「やぼの助」だった。あの、やぼの助ってのは一体…。
「一番やぼったいのがやぼ太郎、次がやぼ次郎、その次がやぼ太で、一番下がやぼの進です」
やぼの助がいないのである。
「やぼの助はやぼ次郎とやぼ太の丁度中間ぐらい。今日はやぼの助ですね」
非常にわかりづらいのである。
「いや、少しだけやぼ太寄りかな…」
正直、どうでもいいのである。とにかく、大丈夫だよと太鼓判を押されりゃ勢いがつくし、やぼったいとはっきり言われりゃさっさと着替えるのに、やぼの助なんて半端なことを言われ、悶々としたままこのコラムを書いている内にもう7時前。家を出る時間となったため、本日はやぼの助で勝負して参ります。
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